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« Attribution Night 2011 | トップページ | 次世代CRM最前線「ライトタイム・マーケティング」実現に向けて »

2011年10月19日 (水)

Webアナリスト養成講座/ユーザテストとユーザ中心設計~ウェブユーザビリティへの誘い~/樽本徹也さん

以下、講義メモです。

******************************************

【UXとUCD】

●iPodがすごいのはユーザーの音楽体験・音楽との接し方を変えたこと
 →HDDで全ての曲を持ち歩ける
 →iTunesでアルバム単位でなく、1曲ずつ変える

●TiVOもテレビの視聴スタイルを変えた
 →ユーザーの評価を反映して、自動的に好みそうな番組を録画してくれる
 →番組表で「番組を選ぶ」という行為が必要なくなった

●東京ディズニーと花やしきでは「体験」が違う

●スタバは家でもなく、会社でもなく、第三の場所を提供
 →コーヒーでなく体験を提供している

※どれも新たな「エクスペリエンス」を提供している

●なぜUser eXperienceが重要かというと「儲かるから」
 →コーヒーを例にとると、原料は$0.01だが、
   スターバックスで「心地よい体験」として提供すると100倍以上になる。

   ・コーヒー豆原料(Commodity):$0.01~$0.02
   ・コーヒー豆製品(Good):$0.05~$0.25
   ・コーヒー自体(Service):$0.5~$1
   ・スターバックス(Experience):$2~$5

●ユーザーエクスペリエンスの構造
 ・Surface:表層(デザイン)
 ・Skeleton:骨格(ワイヤーフレーム)
 ・Structure:構造(画面遷移図)
 ・Scope:要件(要件定義書)
 ・Strategy:戦略(コンセプトなど)

●デザイナーがユーザーエクスペリエンスを改善できないのは
  表面の制作だけではユーザーエクスペリエンスは向上させられないから。
    →ScopeやStrategyから取り組む必要がある

●プロセス
 ・調査:ユーザの"利用状況"を把握する
 ・分析:利用状況から"真のユーザーニーズ"を探索する
 ・設計:ユーザニーズを満たすような"解決案(ソリューション)"を作る
 ・評価:解決案を"評価"する
 ・改善:評価結果をフィードバックして、解決案を"改善"する
 ・反復:評価と改善を"繰り返す"

●UCD(User Centered Design)
 →靴に足を合わせるのではなく、足に合う靴を作る

●UCDの第一原則:ユーザーの声、聞くべからず
 →V=f(x):ユーザーの声とは「体験をユーザー自身が分析した結果」(多くの場合"素人"分析)
 →つまり、ユーザーの声は素人の分析なので聞いてはいけない

●すべてのユーザーを満たそうとすると、誰も満たされない。
 →「コンバーチブルのバンでオフロード仕様のクルマ」のようなもの

●ゴムのユーザー:"設計者の都合"に合わせてくれる伸縮自在の便利なユーザー
 →当然ながら、本来は設計者が"ユーザーの都合"にあわせるべき

●UCDの第二原則:みんなのためにデザインするのではなく、1人のためにデザインする

●仮想のユーザ「ペルソナ」
 →調査をせずにつくると"架空"のユーザーになってしまう

●UCDのキャズム:分析結果から、いかにして優れた製品を発想するのか?

●SketchingとPrototypingの繰り返すと、ある時それは「降りてくる」

●UCDの第三原則:手を動かしながら考える

●デザイン思考
 ・デザインとは「(風変わりな)オブジェ」を作ること(だけ)ではない
 ・完成済みのアイディアをより魅力的にするの(だけ)がデザインではない
 ・「デザイナである」ことと「デザイナのごとく思考する」ことは違う
  (=デザイナでなくてもデザイン思考できる)

●UCDの第四原則:早期に失敗する

●失敗のコツ
 ・Fast:手遅れになる前に、早めに失敗しよう。
 ・Small:大失敗は致命傷になる。小さく失敗しよう。
 ・Often:1会の失敗でめげない。何度も失敗しよう。
 ・Smart:同じ過ちを繰り返さない。徹底的に原因を究明して、賢く失敗しよう。

●新・UCDの4原則
 ・ユーザの声聞くべからず
 ・ひとりのためにデザインする
 ・手を動かしながら考える
 ・早期に上手に失敗する

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【ユーザテスト入門】

●思考発話法:ユーザには(なるべく)考えていることを話しながら、操作してもらうように促す
 →思考の流れをつかむ

●ユーザビリティ3要素:効果・効率・満足度
 →全てを満たして、初めてその製品はユーザブル(使用可能)である

●「総括的評価("測定"が目的)」 vs 「形成的評価("改善"が目的)」
 →一般的なイメージでは「評価=総括的評価」であるが、本当は形成的評価のほうが重要
 →TOEIC(間違えたところややどうすればいいかわからない)
     vs NOVA(間違えたところを指摘してくれて、改善方法を教えてくれる)
 →形成的評価をせずに総括的評価は意味が無い(勉強せずにテストを受けるようなもの)
 →世の中の企業のほとんどが総括的評価しかしない。

●反証アプローチ
 ・あらゆる使用場面(シナリオ)をテストすることは、事実上不可能。
 ・そこで、まず現在のユーザインターフェイスは"Usable"であると仮定(ゼロ仮説)する
 ・そして、重要なシナリオについてユーザテストを実施して、徹底的に問題点(反証)を探す。
  -問題点が見つかれば積極的に修正する(デザイナーにFBする)
  -問題点が見つからなければ仮説は成立するので、ユーザインタフェイスは
  "usable"であると結論付けられる

 ※元々崩すための仮説なので、問題点が見つかっても構わない。

 ※ユーザビリティは「実証(すべての状況でテスト)」はできない。「反証」するしかない。

●5人被験者でほぼすべてのユーザビリティ上の問題点が発見される(理論値84%)
 →それを踏まえ、1ペルソナあたり5~6人でテストするのが世界的にも標準

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【実務基礎】

●実査前

(リクルート)
 1.リクルート条件
 2.スクリーナ原稿作成
 3.募集開始
 4.候補者リスト(5人欲しければ、だいたい20人くらい必要)
 5.被験者リスト

(テスト設計)
 1.タスク設計(ex.オンラインで家の近くの銀行を探す)
 2.インタビューガイド作成(台本)
 3.実査ツール作成(個人情報)
 4.パイロットテスト実施(「テスト」をテストする)

  ※リクルート条件とペルソナを混合しない
   →ペルソナの中で必然性の高い要素に絞ってリクルート条件にする

  ※インタビューガイド通りにできているかをテスト

●実査
 ・バイアスがかからないように、必ず毎回インタビューガイド通りにやる。
 ・最後に主観的評価を聞く
  「今日の体験を総合的に評価すると、このウェブサイト7段階でどのくらいですか。その理由は?」
  「評価を上げるために、何か1つ改善するとすれば、何を改善すべきだと思います?」

●実査後(分析/レポート)
 ・プロトコル作成(発言や行動を書きだしたもの。作業には実時間の6倍~10倍かかる)
 ・データ分析
 ・レポート作成

●スケジュールの目安(約4週間)
 ・リクルート:2週間
 ・テスト設計:1週間(リクルートと並行して行う)
 ・実査      :1~2日
 ・分析レポート:1週間強

●コストの目安
 ・エスノグラフィック調査     :500万円~
 ・ペルソナ開発               :300万円~
 ・ヒューリスティック評価     :100万円~
 ・ユーザーテスト             :200万~(1時間半×10人)

●失敗パターン(これをやったら必ず失敗する)
 ・製品が出来上がってからテストする
 ・初心者でテストする(本来タスクを完了できるはずの人でないとダメ)
 ・グループインタビュー形式でテストする
 ・ユーザに質問する

******************************************

【簡易分析実習】銀行サイトの店舗検索

::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

[STEP1:問題点を洗い出す]

(検索TOP)

●まずラジオボタンを選択することがわかりづらい。

●エラー画面からの戻るリンクがわかりづらい
 →ボタンをクリックしそうになる

●エラーメッセージが適切でない

●プルダウンは選択しづらい
 →東京都を選ぼうとして千葉を選んでしまう

(検索結果詳細)

●地図はスクロールしないとボタンが見えない
 →次の行動がわかりづらい

●六本木一丁目を選んだが、それがどこかわかりづらい
 →現在地の+が小さくてわかりづらい

●店舗番号をクリックしたが、動作が遅く、動作してないと勘違いする
 →待たされていることがわかるようフィードバックがひつお湯

(店舗詳細)

●営業時間が0時~0時でわかりづらい
 →24時間と書いたほうがよい

●地図上では店舗かATMかわかりづらい

●ポップアップだとメインブラウザの裏側に隠れてしまう

●詳細地図から広域地図への戻り方がわかりづらい
 →ポップアップだと、ブラウザの戻るボタンがない。
 →下部のボタンをクリックして店舗検索へ戻ってしまう

::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

[STEP2:問題点のインパクトを判定する]

●深刻な問題
 ・検索結果詳細画面に「戻る」機能がない

●中程度の問題
 ・検索プロセスがわかりづらい
  -ラジオボタンに気づかない
   -ユーザーの操作に対応したメッセージを表示してない

 ・地図がわかりづらい
 -駅を示す従事企業が見つけづらい
   -店舗種別がわかりづらい
   -数字の意味がわからない

●その他の問題
 ・数字ボタンを押した後のフィードバックがない
 ・ページデザインが簡素すぎる
 ・背後のブラウザの「戻る」ボタンを操作してしまう

::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

[STEP3:解決案を考える]

※問題と解決策は必ずしも1対1ではない。真の解決策は"線"にあるかも知れない。
 →1つを解決すると、複数の問題が解決するように。

●総合的な解決の例

 ・ブラウザ標準のツールバーを表示する

 ・ウィザード形式を検索プロセスにする
  -STEP1:店舗種別指定(ATM、支店など)
  -STEP2:検索方法指定(駅、住所、郵便番号など)
  -STEP3:検索結果表示(店舗名と地図)
  -STEP4:店舗情報表示

 ・地図を改善する
  -地図の見方の説明文を入れる
  -起点マークを明示する
  -店舗種別をアイコンで示す
  -選択されたアイコンは表示を変化させる

******************************************

【最後に】

●テストの掟:勝手にテストしない(事前に了解を取る)
 →でないと、作り手は猛反発してしまう。
 →その結果、テストの手法の是非が論点になってしまう

●仲間を作る
 →同じ言葉で会話できる人を組織の中で少しずつ増やす(スカンクワーク)

●デザインが施されてないワイヤーフレームでも、タスクを与えればテストはできる

●アンケートはあくまで定点観測として利用する。
 →「回答者は嘘をつく」ので点で見てもあてにならない

●UXの定量的な把握は難しい
 →アンケートで「満足度」といった質問項目で取りがちだが、
    サイト滞在時間など指標を使うほうが妥当では?

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【その他】

●すでに作ったものを改善する場合
 →「ここが悪いのでは?」という点をまず自分たちで洗い出し、
    プロトタイプを作ってユーザテスト

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【関連サイト】

●人机交互論(樽本さんのブログ)
  http://www.usablog.jp/

●人間中心設計推進機構
  http://www.hcdnet.org/

●アジャイルUCD研究会
  http://sites.google.com/site/agileucdja/

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